2026年 台湾人のための日本不動産完全ガイド:物件選びから引渡し・登記まで、全工程を一挙解説

2026年5月02日|日本不動産|東京ママ|温 芳瑜(宅建士試験合格)
2026年 台湾人のための日本不動産完全ガイド:物件選びから引渡し・登記まで、全工程を一挙解説
🏢 株式会社 J&E | 📜 宅建士・税理士・司法書士提携 | 🇹🇼 台湾人が運営 | 📍 東京都

まず結論:台湾人が日本不動産を購入する8つのステップ

  • 第1ステップ:物件見学(1〜2週間、3〜5件の比較見学を推奨)
  • 第2ステップ:購入申込み+価格交渉(5〜10日)
  • 第3ステップ:重要事項説明+売買契約締結+手付金10〜20%支払い(1〜2日)
  • 第4ステップ:ローン審査(約1ヶ月、現金購入の場合は不要)
  • 第5ステップ:決済日に残代金支払い+所有権移転登記(当日)
  • 第6ステップ:納税管理人の選任・届出
  • 第7ステップ:不動産取得税の通知(取得から6ヶ月〜1年後に届く)
  • 第8ステップ:毎年の確定申告(翌年2/16〜3/15)

全体のスケジュールは、物件を見てから鍵の引渡しまで約6〜10週間、諸費用は購入価格の6〜10%が目安です。台湾人特有の対応事項として、銀行口座の開設・外為法に基づく報告・納税管理人の選任の3点があります。

2024〜2026年の日本不動産市場の現状

2024年、日本国内の不動産投資総額は過去最高の6.2兆円を記録し、海外投資家がその主要な牽引力となっています。東京23区における外国人購入者では台湾人がトップとなり、中国・シンガポールを上回りました。背景には3つの要因があります。第一に円安(2020〜2024年の累計下落率は約30%)により、同じ1億円の物件でも台湾元ベースのコストが約25%低下したこと。第二に、2026年以降の利上げが見込まれる中、現在の低金利融資が活用できる時間的な窓口が限られていること。第三に、台湾人の日本の生活への親しみが高く、投資とセカンドホームという二重の動機が購入を後押ししていることが挙げられます。

価格動向:東京23区の中古マンションは2020〜2024年の累計で18〜25%上昇し、年率3〜5%のペースで推移しています。新築マンションの上昇率はさらに高く、坪単価は2020年の350万円から2024年には600〜700万円まで上昇しました。中古市場は供給が安定しており、海外投資家の主戦場となっています。

2026年の注意点:都心6区(千代田・中央・港・新宿・文京・目黒)における短期転売物件の割合は12.2%に達し、2020年の5.8%から倍増しています。市場の一部には投機的な資金の動きが見られます。5〜10年の長期保有を前提とする台湾人投資家への影響は比較的小さいものの、短期転売のリスクは高まっています。詳しくは2026年不動産市場の警戒シグナルをご覧ください。

物件タイプの選び方

台湾の海外投資家がよく購入する4種類の物件タイプをご紹介します。それぞれの特性は大きく異なります。

区分マンション(1戸)

マンションの1戸を購入するタイプで、海外投資家の95%が選択します。メリットは、流動性が高く(東京23区中心部では平均60日で売却可能)、管理組合が日常的な業務を代行し、総額の幅が広い(2,000万〜1億円以上)点です。デメリットとしては、管理費+修繕積立金として毎月3〜5万円の固定支出があり、共用部分の修繕には管理組合の決議が必要な点が挙げられます。

おすすめの方:日本での不動産投資が初めての方、海外からの遠隔保有を希望する方、流動性を重視する方、予算が5,000万〜1.5億円の方。詳しくは区分マンション詳細解説をご覧ください。

一戸建て

独立した住宅で、土地を完全に所有します(典型的な面積は100〜150㎡)。メリットは、土地に独立した転売価値があり、管理費・修繕積立金が不要で、築20年以降は建て替えも可能な点です。デメリットとしては、屋根・外壁・給排水設備などの修繕をすべてオーナーが負担し、築30年以上の木造住宅はメンテナンス費用がかさむ点があります。

おすすめの方:定期的に現地確認ができる方、20年以上の長期保有を想定している方、家族での居住と投資を兼ねたい方。予算は5,000万〜1.5億円が目安です。

一棟物件(一棟アパート・マンション)

4〜10戸程度の小規模アパートを丸ごと購入するタイプです。メリットは、土地を全て所有でき、銀行の担保評価が最も高く(融資比率70〜80%)、複数戸によるリスク分散で収益が安定している点です。デメリットとしては、修繕費をすべてオーナーが負担し、管理業務の負担が大きく、流動性が最も低い(売却に90〜180日)点があります。また、購入には8,000万円以上の資金が必要です。なお、木造物件は融資を受けにくい点にご注意ください。

おすすめの方:1億円以上の予算をお持ちの高資産投資家、不動産事業の拡大を検討している方。詳しくは一棟物件詳細解説をご覧ください。

ワンルームマンション

15〜25㎡の単身者向け物件で、総価格は1,200万〜3,000万円です。表面利回りは5〜7%と高く見えますが、管理費の比率が高いのが特徴です。この種の物件で最も重要なのは立地です。立地が良くなければ、空室期間が長引き、転売時の流動性も低下します。新築投資用として業者が販売する1,800万〜2,400万円のワンルームは、5年後の売却価格が購入価格の60〜70%にとどまるケースが多く見られます。

おすすめの方:中程度の資産規模の投資家がスタートとして検討できますが、賃貸需要の高いエリアと物件を慎重に選ぶことが必須です。好立地の物件はほぼ空室が出ず、家賃を上げるために既存入居者に退去を求めることもあるほどです。一方、立地を誤ると賃貸需要が不足し、長期にわたる空室期間が続く中、管理費・修繕積立金の支払いが続くという赤字リスクがあります。台湾人投資家が郊外の物件を購入して失敗するケースはよく見られます。

だからこそ、私たちが物件選びの重要性を常に強調しているのです。空室期間の長短・管理のしやすさ・転売のしやすさは、いずれも賃貸物件投資において最も重要なポイントです。

購入8ステップを徹底解説

第1ステップ:物件見学(1〜2週間)

同条件の物件を3〜5件見学して比較することをお勧めします。SUUMO・HOMES・at homeなどの公開プラットフォームの活用に加え、業者にREINS内部物件リストの提示を依頼しましょう。REINSの内部物件はSUUMOより30〜50%多く掲載されているため、積極的に全リストの提示を求めてください。

中古マンションの判断基準5つのポイント:修繕積立金の水準(1㎡あたり月200円以上が健全)・大規模修繕の履歴・管理組合の健全性(議事録上の滞納戸数が5%以下)・耐震基準(1981年6月以降は新耐震基準)・立地と将来性。

第2ステップ:買付申込(5〜10日)

気に入った物件が見つかったら、業者が「買付申込書」を作成して売主に提出します。希望価格・希望引渡し日・融資比率・特約条件(解約権・瑕疵担保など)を記載します。売主は受領後3〜7日以内に承諾または値下げ交渉の回答をします。

価格交渉の余地:東京23区中心部の物件は0〜3%(物件数が少なく買い手が多い)、東京23区外周部は3〜8%、地方都市は5〜15%が目安です。売主が急いで売りたい場合(特に相続案件)は、交渉余地がかなり広がります。

第3ステップ:重要事項説明+売買契約締結+手付金支払い(1〜2日)

業者が宅地建物取引士を手配し、重要事項説明書(重説)を対面で説明します。30〜50ページの書面には、物件の権利関係・法令上の制限・設備の状況・取引条件などが記載されています。買主が各ページに署名した後、売買契約の締結に進みます。オンライン(IT重説)への変更も可能ですが、事前に業者が対応しているか確認が必要です。

契約当日に手付金として購入価格の10〜20%を支払います。日本の慣行では売主口座に直接振り込むケースもありますが、売主の契約不履行リスクを避けるため、業者の預り金口座への入金をお勧めします。売主が契約不履行の場合は手付金の倍額が返還され、買主が契約不履行の場合は手付金が没収されます。台湾の要約書や斡旋金の仕組みとは異なりますので、特にご注意ください。

第4ステップ:ローン審査(約1ヶ月)

台湾系銀行による日本の海外不動産ローンが主流の選択肢です。2026年時点で、日本(主に東京)に支店を持つ台湾系銀行は約8〜9行あります:玉山銀行・国泰世華銀行・中国信託商業銀行・兆豊銀行・第一銀行・華南銀行・合作金庫銀行・彰化銀行・臺灣銀行です。このうち台湾人個人投資家向けに海外不動産ローンを提供している主要行には、玉山・国泰世華・中国信託(完全子会社の東京スター銀行を含む、2014年買収)があり、年利2.5〜4%・融資比率50〜60%・期間15〜20年の条件です。東京スター銀行の非居住者向け住宅ローンは、年収1,000万円以上または純資産3,000万円以上(台湾側の資産含む)が条件となっており、台湾系銀行の中では非居住者に最もオープンなプランです。富邦銀行は2024年7月に台湾金融監督管理委員会から東京支店開設の認可を受け、2026年開業予定です。開業後は選択肢がさらに1行増える見込みです。

その他の選択肢:香港HSBC・シンガポールDBS(年利3〜4.5%、総資産USD 100〜200万の要件あり)。日本の地方銀行による非居住者向けプラン(横浜銀行・千葉銀行、年利3〜4%、融資比率50%)は、日本と実質的なつながり(会社・配偶者・長期取引)がある非居住者向けに提供されています。現金購入の場合は約1ヶ月の審査期間を省略できます。

第5ステップ:決済日に残代金支払い+所有権移転登記(当日3〜4時間)

決済日の午前中に、買主・売主の代理人・司法書士・業者担当者が法務局または現地に集合します。流れとしては、売主が「登記原因証明情報」を提出し、買主が残代金を支払い、銀行融資が実行され(ローンがある場合)、司法書士が書類を持って法務局に所有権移転登記を申請し、売主が鍵を引き渡します。詳しくは所有権移転登記の詳細解説をご覧ください。

第6ステップ:納税管理人の選任・届出

次に、所轄の税務署に「納税管理人の届出書」を提出し、納税管理人を1名指定する必要があります。指定しない場合、固定資産税や賃料所得税の納付通知が物件住所に届いても受け取れず、年率8.7%の延滞金が累積します。詳しくは納税管理人の詳細解説および海外オーナーの納税管理人義務をご覧ください。引渡し当日に納税管理人の届出も同時に済ませることをお勧めします。

第7ステップ:不動産取得税の通知(引渡しから6〜12ヶ月後)

都道府県税であり、住宅の特例軽減措置適用後の実際の税額は評価額×3%です。1億円の物件の評価額が約6,500万円の場合、不動産取得税は約195万円となります。通知書は物件住所に送付されるため、納税管理人を指定していないと納付期限を見逃すことになります。詳しくは不動産取得税の詳細をご覧ください。

第8ステップ:毎年の確定申告(翌年2/16〜3/15)

非居住者が賃貸物件から得た家賃収入は、日本での確定申告が必要です。控除できる経費:管理費・修繕積立金・固定資産税・都市計画税・建物の減価償却費・火災保険料・ローン利息(建物部分)・税理士報酬。初年度は税理士(報酬8〜15万円)への依頼を強くお勧めします。自己申告でミスが生じた場合の罰則(過少申告加算税10〜15%+延滞税8.7%)は、税理士報酬の3〜5倍になることがあります。詳しい税務ガイドは日本不動産税金完全ガイドをご覧ください。

日本不動産購入の諸費用 6〜10%の内訳

1億円の中古マンション購入時の諸費用は約600〜800万円で、購入価格の6〜8%に相当します。内訳は以下の通りです:

  • 仲介手数料:(1億円×3%+6万円)×1.1=336.6万円(買主上限)
  • 登録免許税:評価額6,500万円の場合、土地分×1.5%+建物分×0.3%(住宅軽減)=約75万円
  • 不動産取得税:評価額×3%=195万円(半年後に通知が届く)
  • 司法書士報酬:15〜25万円
  • 印紙税:3万円(売買契約書の印紙)
  • 固定資産税の日割り精算:5〜10万円(引渡し日から年初までの日数按分)

合計約630〜680万円です。実際の試算は購入コスト試算ツールに購入価格を入力することで、全ての諸費用を一括で算出できます。

保有後の年間費用:固定資産税(評価額×1.4%)+都市計画税(×0.3%)+管理費+修繕積立金=1億円の物件で年間約130〜180万円。

売却時:譲渡所得税は20.315%(保有5年超)または39.63%(保有5年以内)。詳しくは3段階の税金完全ガイドをご覧ください。

購入後の選択肢:賃貸 vs 自己使用 vs 民泊

海外投資家の多くは賃貸を選択します。月次の流れ:管理会社が家賃を回収し、管理費を差し引いた後に日本の口座へ送金し、オーナーが台湾へ送金します。管理会社の月次管理手数料は家賃収入の5〜10%です(東京都心部8〜10%、地方5〜7%)。翌年2〜3月に税理士が確定申告を代行します。詳しくは日本で大家さんになる方法をご覧ください。

民泊は大部分の地域で年間180日の上限(住宅宿泊事業法)と各自治体の条例による制限があります。東京・新宿区の40㎡ワンルームを例に比較すると、通常賃貸の年収が148万円に対し、民泊は清掃費・プラットフォーム手数料・備品費を差し引くと132.5万円と逆に少なくなります。近くに住んで自己管理できる場合や専門の民泊管理チームがある場合を除き、海外投資家が民泊を運営するリスクは高いと言えます。詳しくは民泊の詳細解説をご覧ください。

よくある落とし穴7選

  1. 新築プレミアムの罠:デベロッパーの販売価格には10〜20%の新築プレミアムが含まれており、購入した瞬間に中古物件となるため、5年以内に価値が15〜25%下落します。業者が販売する1,800万〜2,400万円の投資用ワンルームは、5年後の売却価格が購入価格の60〜70%にとどまるケースがほとんどです。
  2. 修繕積立金が低すぎる物件:1㎡あたり月100円未満の物件は、10年以内に一時金として1戸あたり50〜100万円の徴収、または月額積立金が2〜3倍に値上がりするケースがほぼ確実に発生します。
  3. 旧耐震基準の物件(1981年5月以前):地震保険の年間保険料が約2倍になり、多くの銀行でローンが組めず、転売時の購入層が大幅に狭まります。
  4. 借地権付き物件:「使用権」のみで所有権ではなく、地主に毎年地代を支払い、契約満了時には高額の更新料の支払いまたは土地の返還が必要です。表面上は安く見えますが、実際にはリスクが高い物件です。
  5. サブリース(家賃保証)の罠:契約書をよく読むと、2〜3年後に家賃の見直しができる条項が含まれています。サブリースの3大落とし穴
  6. 業者の営業トーク:立地が悪いのに「浅草15分」と記載していても、実際は最寄り駅から電車で浅草まで15分かかるという意味であったり、物件の状態が悪いにもかかわらずリノベーションを施した上で改装費用を大幅に上乗せして販売するケースがあります。悪徳業者の7つのレッドフラッグ
  7. 地面師詐欺:他人の不動産を偽造した身分証明書を使って売却しようとする詐欺です。2024年の積水ハウス55億円事件が有名です。地面師詐欺の完全解説

東京ママの日本不動産インサイト

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