朝一番でThreadsを見ていたら、台湾の不動産会社を通じて日本の不動産を購入したという台湾人ユーザーの投稿が目に入りました。ところが相手側は、通常の契約書なら必ず記載されている「ローン審査に通らなければ無条件で解約できる」という条項を削除していて、しかもそのことを特に説明していなかったそうです。
今、彼女は住宅ローンが下りず解約したいのですが、相手(台湾の会社)から内容証明郵便が届き、20%の手付金を没収すると言われているそうです。
日本の不動産取引の実務では、契約を結ぶ際に売主側がこの条項の削除を希望する場合、まともな仲介業者や宅建士であれば必ず買主に特別な説明をし、削除してよいかどうかの確認を取ります。これは契約の中でも重大な事項だからです。
ただ、今回の件が投稿者の言う通りだとして、仲介業者が特に説明もせず黙ってこの条項を削除していたのだとしたら、その行為自体は単体では違法ではないものの、海外の買主に対してわざと隠していたのではないかと思わざるを得ません。
投稿者自身も言っていますが、外国人は日本の法律や売買の手続きをそもそも理解しておらず、日本語も読めません。相手はその点と、会社が大きく見えることを利用して、自分が何にサインしているのかも分からないまま契約させてしまうのです。
実際の詳細までは分からないので、投稿の内容から皆さんに伝えておきたいことをまとめます。
- 何度も言っていますが、契約書には安易にサインしないでください。会社が大きく見える、有名である、担当者がプロっぽく見えるからといって問題が起きないわけではありません。契約書の中で合法の範囲内で細工をするのは、日本の不動産の悪質業者がよく使う手口です。分からなければ、必ず専門家に見てもらってください。
- もしすでに起きてしまったなら、台湾側での法的手段に加えて、必ず日本の「保証協会」に申し立ててください。業者が法務局に高額の営業保証金を供託している場合を除き、日本では宅建業者(不動産仲介業)は必ずどこかの協会に加入することが義務付けられています。協会はトラブルの解決を手伝い、宅建業者があなたに支払うべき金額を先に立て替えてくれます。また、日本の宅建業法は非常に厳しく、悪質な業者は営業停止処分を受けることもあります。
- 台湾側の会社が大きくて有名そうに見えれば、それで安心なのでしょうか?実際に何をしている会社なのか、一度きちんと調べてみることをおすすめします。ここから先はあえて多くは語りません。
日本側での対応としては、自分が「誤解させられた、重要事項を隠された、説明が事実と異なっていた、あるいは翻訳が間違っていた」ために契約書にサインしてしまったことを証明できる証拠集めに力を入れることをおすすめします。
というのも、多くの台湾人の買主は「ローン審査に通らなければ、自動的に解約になるのでは?」と思い込んでいるからです。
ですが、日本では必ずしもそうとは限りません。
契約書に「ローン特約」がなければ、ローンが下りないことは基本的に買主自身の融資リスクとして扱われます。
そのため、今回のケースで重要になるのはおそらく、買主が契約内容を本当に理解していたかどうかという点です。
誰かがローン特約を削除することの影響を軽く扱ったり、隠したり、十分に説明しなかったりしていたかどうかも問われます。
誤解を招くような説明や、説明義務違反、重要事項の意図的な隠蔽、翻訳ミスなどがあったと証明できれば、買主には日本でもまだ救済の余地があります。
契約上のトラブル(重要事項の未説明、誤解を招く形での契約締結、不当な勧誘など)であれば、監督官庁や国民生活センター、あるいは業者が加盟する宅建協会(全国宅地建物取引業協会連合会、全日本不動産協会)に申し立てることができます。
業者による使い込みや連絡不能、倒産などお金が返ってこない問題であれば、監督官庁への通報に加えて、保証協会(全国宅地建物取引業保証協会、不動産保証協会)に弁済(賠償金の支払い)を申請することもできます。裁判の確定を待つ必要はありません。
刑事詐欺については、実務上のハードルが高く、相手が最初から故意に騙してお金をだまし取るつもりだったことを証明する必要があるため、多くの案件は結局のところ民事または行政の手段で処理されています。
簡単に言えば、可能性が高い方向性はやはり、情報の非対称性がある中で、説明不足や誤解を招く状況で契約させられたことを証明することです。
最後にいつもの言葉を繰り返しておきます。日本の不動産市場は成熟していますが、成熟しているからといって悪い人がいないわけではありません。
本当にあなたを守ってくれるのは、相手の会社がどれだけ大きいかではなく、自分がサインする一文字一文字をきちんと理解しているかどうかです。






