日本で家を買いたいけれど、ローンを組めるかどうかわからない。いくら借りられるのか、どの銀行に行けばいいのか。
この記事では、あなたが一番知りたいことを全部まとめました。条件リストだけでなく、実際の申請の流れ、よくある落とし穴、そして日本に長年住む台湾人オーナーが自ら経験した内容まで紹介します。
一、まず、みんなが一番聞きたい質問にお答えします
「日本の永住権がなくても、日本でローンを組んで家を買えますか?」
可能です。ただし日本の地元銀行(三菱UFJ銀行、みずほ銀行など)に行ってもダメです。日系銀行はほとんどの場合、永住権のない外国人からの申し込みを受け付けていないからです。(例外として、すでに永住申請を提出して入管に受理されている場合、一部の銀行では永住者として扱ってもらえることがあります)(超富裕層はここでは対象外とします)
台湾人が最もよく使う方法は、日本に支店や子会社を持つ台湾系銀行を利用することです。これらの銀行は台湾人顧客の信用背景を理解しており、台湾の信用情報や納税記録を使って審査してくれます。これは日系銀行にはできないことです。
ただし注意点があります。台湾系銀行の住宅ローン金利は、日本の地元銀行よりかなり高いです。日本人が家を買う場合の金利は約0.5%〜1%ですが、台湾人が受けられる金利はだいたい2%〜3%です。
二、どの銀行でローンを組むか
現在、日本に実店舗を構え、個人向け住宅ローンを扱える台湾系銀行は、主に東京(関東)に集中しており、関西の選択肢は比較的少ないです。
各銀行の日本国内拠点
| 銀行 | 東京 | 大阪 | 福岡 | その他 |
|---|---|---|---|---|
| 東京スター銀行(中国信託の子会社) | ✅ 複数の支店 | ✅ | - | - |
| 兆豊国際商業銀行 | ✅ | ✅ | - | - |
| 第一商業銀行 | ✅ | - | - | - |
| 華南銀行 | ✅ | - | - | - |
| 玉山銀行 | ✅ | - | ✅ | - |
| 台湾銀行 | ✅ | - | - | - |
| 彰化商業銀行 | ✅ | ✅ | - | - |
| 台新国際商業銀行 | ✅ | - | ✅ | - |
| 台北富邦銀行 | ✅(2026年Q2新規開業) | - | - | 法人取引が中心 |
関西地区(大阪)は選択肢がかなり少なく、主に兆豊国際商業銀行と東京スター銀行のみです。審査条件も関東より厳しくなっています。物件が大阪・京都周辺にある場合は、必ず事前に銀行が対応可能かどうか確認してください。
東京スター銀行とは?
台湾人の個人投資家にとって、東京スター銀行は有力な選択肢の一つです。
中国信託商業銀行が100%出資する日本の子会社で、日本の小売銀行免許をフルに保有しており、東京に複数の支店があります。子会社(支店ではない)であるため日本では独立した法人であり、外国人向けに口座開設や住宅ローンの取り扱いができ、他の台湾系銀行よりも手続きが充実しています。
他の台湾系銀行の多くは「支店」という形態で運営されており、主に法人顧客やVIP顧客向けのサービスが中心で、個人向け住宅ローンにはより厳しい制限があることが多いです。
三、融資条件一覧
共通のハードル(ほぼすべての台湾系銀行が要求)
- 物件の築年数:20年以内(一部の銀行は構造や立地によって25年まで可)
- 物件の面積:専有面積50㎡(約15坪)以上、ワンルームは基本的に申し込みできません
- 物件の総額:多くの銀行は3,500万〜5,000万円以上を要求
- 申請者の年収:台湾の総合所得税申告における年収が約100万台湾ドル以上
- 納税年数:通常は直近2〜3年分の所得税申告資料が必要
- 信用情報:台湾の聯徵中心でスコア付きの信用報告書を申請する必要があり、不良記録があってはいけません
銀行別融資条件比較(2026年)
| 銀行 | 最低融資金額 | 金利目安 | 融資比率 | 最長期間 |
|---|---|---|---|---|
| 東京スター銀行 | 2,000万円 | 約1.9%〜3.0%(変動) | 50%〜70% | 20年 |
| 兆豊国際商業銀行 | 3,500万円 | 2.5%〜(変動) | 50%〜70% | 15〜25年 |
| 第一商業銀行 | 案件ごとに審査 | 短期2.125%/長期2.625% | 約50%〜70% | 約20年 |
| 華南銀行 | 500万円 | 3年固定2.486%など | 50%〜70% | 最長35年 |
| 玉山銀行 | 5,000万円 | 約2.0%〜2.6% | 50%〜70% | 20年 |
| 台湾銀行 | 5,000万円 | 約2.0%〜2.6% | 50%〜70% | 20年 |
| 彰化商業銀行 | 5,000万円 | 約2.0%〜2.6% | 50%〜70% | 20年 |
| 台新国際商業銀行 | 5,000万円 | 約2.0%〜2.6% | 50%〜70% | 20年 |
重要な注意点:外国人向け住宅ローンの多くには据置期間がありません。初回の返済から元金と利息をあわせて返済していく必要があり、毎月の返済額は台湾で慣れているパターンより高くなります。
永住権あり vs なし、何が違う?
| 項目 | 用途 | 永住権なし(台湾居住者) | 永住権あり |
|---|---|---|---|
| 利用可能な銀行 | - | 台湾系銀行 | 台湾系銀行+一部日系銀行 |
| 融資比率 | 投資 | 50-60%、好条件なら70%まで | 70-80%、好条件なら80-85%まで |
| 自己居住 | 60-80% | 90-100% | |
| 金利 | 投資 | 年 2.5-4.0% | 年 2.0-4.2%* |
| 自己居住 | 年 1.9-3.0% | 変動約 0.8-1.4%、固定約 2.8-3.0%から | |
| 審査の難易度 | - | 高い | 低い |
* 永住権があるとより多くの商品にアクセスでき、高リスク・高金利の投資向けローンも含まれるため、レンジが永住権なしより広く見えます。
永住者の優位性は主に融資比率が高く、金利が低いという点に表れますが、永住権がなくても台湾系銀行を通じて問題なく融資を申し込むことができます。
四、申請の流れ Step by Step
契約からローン実行まで、全体のプロセスにはおおよそ1.5〜3ヶ月かかります。
Step 1 対象物件を決め、銀行に初期相談する
Step 2 銀行が物件の条件を審査(取り扱い可能な範囲か確認)
Step 3 個人の財力資料+物件資料を提出
Step 4 銀行が外部委託で不動産鑑定を実施
Step 5 融資条件が承認される(金額・金利・年数)
Step 6 不動産売買契約を締結(通常は手付金として1割を支払う)
Step 7 ローン関連書類の署名を完了
Step 8 名義変更・引き渡し、融資実行
実務上のアドバイス:Step 1 と Step 6 の順番がとても重要です。Step 1〜5の非公式な事前確認(仮審査/Pre-approval)を先に済ませてから、契約と手付金の支払いに進むことを強くおすすめします。そうしないと、万が一融資が下りなかったり鑑定額が想定より大幅に低かったりした場合、手付金が戻ってこない可能性があります。
五、必要な書類は何か
この段階が一番面倒だと感じる人が多いところです。以下が完全なリストです。
個人の財力証明書類(台湾側)
- パスポート(有効期限が6ヶ月以上残っているもの)
- 台湾の聯徵中心の信用報告書(スコア付きのものを申請する必要があります)
- 直近2〜3年分の総合所得税申告書または納税証明
- 直近3ヶ月分の銀行口座取引明細書
- 株式・投資信託・保険証券などの資産証明(任意、審査通過率を上げるのに役立ちます)
- 既存ローンの返済明細(ある場合)
本人確認書類(認証が必要)
- 戸籍謄本(日本語への翻訳+認証が必要)
- 印鑑証明(認証が必要)
台湾の書類を日本で使用する前には、公証人による認証 → 外交部領事事務局の認証 → 日本台湾交流協会の確認という手順を踏む必要があり、日本語訳も添付しなければなりません。この手続きにはおおよそ2〜4週間かかるため、早めに動き始めることが必要です。
物件関連書類
- 不動産登記謄本(登記事項証明書)
- 建物現況調査報告書(重要事項説明書)
- 売買契約書(または仮契約書)
- 建築確認済証(建物の適法性を確認するもの)
六、経験者が語る:最もよくある3つの落とし穴
これらは台湾人が日本で住宅ローンを組む際に、最もよく起きる実際の状況です。
落とし穴1:鑑定額が成約価格より大幅に低く、自己資金が急に足りなくなる
これが最も多くの人がひっかかる地雷です。
実際の事例: 東京のある物件の成約価格は7,000万円で、投資家は7割(4,900万円)の融資を見込み、自己資金として2,100万円を用意していました。ところが銀行の鑑定額は5,500万円にとどまり、7割で計算すると融資額は3,850万円しか出ませんでした。自己資金の不足分は3,150万円に膨らみ、当初の見込みより1,050万円も多くなりました。
なぜこうなるのか? 日系銀行も台湾系銀行も鑑定モデルが非常に保守的で、特に中古物件では市場の実際の成約価格より10%〜25%低く出ることがよくあります。ここ数年、東京の不動産価格が急速に上昇しているため、鑑定額が相場に追いつかず、差がどんどん広がっています。
どう避けるか: 名目上の融資比率は7割でも、自己資金を準備する際は「総額の4〜5割」を最低ラインとしてください。3割ではありません。また、契約前に必ず銀行に非公式な物件評価を依頼しておきましょう。
落とし穴2:書類認証は思った以上に時間と手間がかかる
台湾の書類を日本で使用する際の手続きコストを、軽く見積もりすぎている人が多いです。
戸籍謄本や印鑑証明は公証を受けたうえで外交部に送り、さらに日本台湾交流協会に送り、最後に有資格の翻訳者を探す必要があります。
期間: 順調に進んでも2〜4週間かかり、書類の形式に不備があって差し戻された場合は、最初からやり直しになります。
アドバイス: 台日両国間の取引経験がある不動産業者や司法書士に依頼することをおすすめします。費用は数万台湾ドル程度ですが、節約できる時間と労力はその費用をはるかに上回ります。
落とし穴3:融資が決まったら、円口座はどう開設する?
日本でローンを組むには、融資を行う銀行で円口座を開設する必要があります。しかし日本の在留資格を持たない外国人が日本の銀行で口座を開設するのは、ほぼ不可能です。
これも東京スター銀行が台湾人にとって最大の価値を持つ理由の一つです。融資条件を満たす外国人投資家に対して、セットとなる口座の開設を認めているのです。
返済の資金の流れには2つのやり方があります。
- 台湾から日本の口座へ定期的に送金する:毎月為替変動リスクを負うことになり、円高が進むと、あなたの返済負担(台湾ドル換算)が増えます。
- 家賃で返済を賄う:物件を購入後に賃貸に出し、円建ての家賃を口座に直接入金して引き落とす方法です。「円資産で円負債をヘッジする」という閉じたループが完成し、これが最も安定したモデルで、為替の影響を受けません。
七、2026年、日本は利上げしました。今でもローンを組む価値はある?
日本銀行(BOJ)は2024年にマイナス金利を終了させ、2025〜2026年も緩やかな利上げを続けており、10年以上続いた超低金利時代が終わりを告げました。
これは台湾の購入者にとって、どんな意味を持つのでしょうか?
変動金利で借りる人は要注意
変動金利を選んだ場合、金利は市場の動きに連動します。現在、外国人向けに台湾系銀行が提示する金利はすでに2%以上が中心で、もし市場の基準金利がさらに0.5%〜1%上昇すれば、毎月の元利返済額は大きく増えることになります。
試算のヒント: 借入額を決める前に、現在の金利+1%でストレステストを行い、毎月の返済額が自分の許容範囲に収まっているか確認しておきましょう。
円高という諸刃の剣
もし円高が進み始めたらどうなるでしょうか?
- すでに日本の資産を保有していて、将来台湾ドルに換金する人:円高は良いことで、より多くの台湾ドルに換えられます。
- 台湾から継続的に送金してローンを返済する必要がある人:円高になると、毎月の実質的な返済コスト(台湾ドル換算)が上がることを意味します。
だからこそ「円建ての家賃で円建てのローンを返す」というロジックが、利上げ局面ではより重要になってくるのです。
今でも参入する価値はある?
購入の目的次第です。純粋なサヤ取り(アービトラージ)はすでに以前より難しくなっています(金利上昇、価格上昇、利回り圧縮)。しかし目的が資産の分散配置、地政学リスクへの備え、あるいは実際に使う必要がある場合であれば、日本の不動産は依然として比較的明確な法治環境と保有ロジックを備えています。
財経クリエイターの阿格力氏のアドバイスは、築20年前後の中古物件が「スイートスポット」だというものです。新築より価格が低く、1981年以降の新耐震基準が構造の安全性を担保しており、主要な修繕費用はすでに購入価格に織り込まれています。東京ママチームはこれとは少し違う見方をしています。私たちはここで10年以上投資をしてきた実務経験から言うと、都心の一等地を選ぶのであれば、築年数はそれほど重要ではありません。立地と利回りが自分のニーズに合っているかのほうが重要で、築年数を絶対条件にはしていません。使い古された言い方になりますが、投資スタイルは人それぞれなので、自分にとって一番気楽で楽しい投資方法を見つけることが大切です。
八、ローンを組む前に、自分自身に4つの質問をしてみよう
銀行に連絡する前に、この4つの質問についてじっくり考えておくことをおすすめします。
Q1. 物件の目的は何か? 投資して賃貸に出すのか、自分で住むのか、それとも資産の分散配置なのか。目的が違えば、物件選びのロジックも変わります。銀行の審査基準も「賃貸用途」と「自己居住用途」で異なり、日本の法規では自己居住向けの優遇ローンを借りたあとにこっそり賃貸に出すことは厳しく禁止されています。
Q2. 年収と信用情報の準備はできているか? 年収100万台湾ドルはスタートラインですが、達成しているだけでは十分ではありません。聯徵中心の記録に延滞やクレジットカードのリボ払い履歴があると、審査に影響することもあります。銀行に問い合わせる前に、まず自分で聯徵中心にスコア付きの報告書を確認し、状況を把握しておくことをおすすめします。
Q3. 鑑定額の差に対応できるだけの流動資金があるか? 計算方法は「総額×(1-融資比率)」ではなく、「総額×45%〜50%」を見ておいて初めて安全です。さらに不動産取得税、登記費用、仲介手数料などの取引コスト(通常は総額の5%〜8%)が加わるため、必要な流動資金はかなりの額になります。
Q4. 返済の原資は何か? 送金なのか、家賃で相殺するのか。前者には為替リスクがあり、後者は物件の賃貸可能性を見極める必要があります。投資目的で購入する人の多くにとって、安い物件を買うことよりも、安定した入居者を見つけることのほうが重要です。
よくある質問にサクッとお答えします
Q:日本で家を買えば在留資格がもらえますか? もらえません。日本での不動産購入と在留資格はまったく関係がありません。業者の言葉に惑わされないでください。
Q:法人名義で購入できますか? できます。日本の法規は外国法人による不動産取得を認めていますが、融資条件は個人申請とはまったく異なり、手続きはやや複雑になり、融資の難易度も高くなる場合があります(会社によります)。
Q:北海道、沖縄、九州の物件でも台湾系銀行のローンを申請できますか? ほとんどの台湾系銀行は物件の所在地に制限があり、主に東京23区、大阪市中心部、福岡市などの主要都市圏に絞られています。都市圏から離れた地域や特定の工業地域は取り扱い対象外になることがあります。
Q:ワンルーム(1R、1K)は申し込めますか? ほぼできません。50㎡という面積のハードルによって、ほとんどのワンルーム物件は最初から対象外になります。これは銀行が担保物件のリスクを管理する仕組みでもあります。
Q:日本の物件の面積の数え方は台湾と同じですか? 違います。日本の販売面積は「専有面積」で、共用部分やバルコニーは含まれません。台湾の室内17坪は日本の実際の使用空間17坪に相当し、台湾で同じ室内面積の物件を買おうとすると、通常は3〜4割多く支払うことになります。
まとめ
台湾人が日本で住宅ローンを組んで家を買うことは可能です。ただしハードルは思っている以上に高いのが実情です。
核心となるロジックはこうです。台湾系銀行をまず検討しましょう。ハードルは高いですが、プロセスは明確で、事前にしっかり準備さえすれば成功率は高いです。
最も覚えておくべき3つのことは以下のとおりです。
- 自己資金は総額の4〜5割を準備すること。「3割で足りる」という話は信じないでください
- 契約前に非公式な事前確認(仮審査/Pre-approval)を行うこと。物件と自分の財力の両方が銀行の対応範囲内にあるか確認しましょう
- 書類認証は少なくとも1ヶ月前から始めること。契約直前になってから動き出さないようにしましょう
本記事の情報は2026年の市場状況を基準としています。各銀行の条件は市場や政策の変化によって調整される可能性があるため、実際の条件は各銀行の公表内容をご確認ください。
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