先に結論:日本の空き家購入
- 日本全国に900万2千戸の空き家、空き家率は13.8%(2023年総務省確報):賃貸用、売却用、別荘を除いても、長期にわたり使われていない住宅が385万6千戸あります
- リフォーム・リノベーション費用が物件価格の数倍になることも珍しくありません:38万円は入場料にすぎず、総投資額は現地での見積もり次第です
- 空き家を放置して「勧告」を受けると、土地に住宅用地特例が適用されなくなります:固定資産税の課税標準を1/6とする優遇がなくなり、税額が大きく上がります(単純に6倍になるわけではありません)
- 銀行融資が非常に難しい3種類の物件:再建築不可、築年数が古すぎる、相続登記が未了
- 5関門15項目のチェック:権利、建物、立地、費用、税務のどれか1つでも欠けていれば、無理に購入しないでください
- 遠隔購入では現地対応の費用も多めに見積もる必要があります:現地調査は必要経費であり、任意の選択肢ではありません
「日本の田舎で一戸建てを丸ごと38万円で購入」という見出しが、ここ数年、中国、香港、台湾のSNSをにぎわせています。とても安く見え、台湾の駐車場1台分の金額で日本の土地所有者になれると思えば、心が動くのも当然です。
しかし、安い空き家を購入した後によくある結末は、売るに売れず資金が拘束されるか、損をして手放すことです。最悪の場合は、損をして手放すことさえできず、毎年税金を払いながら雑草を育て続けることになります。
この記事では、日本の空き家ブームをめぐる全体的な背景(以前「風傳媒」に完全版を寄稿し、記事末尾にもリンクを掲載しています)は繰り返さず、実践的な視点から空き家を購入する前に通過すべき5つの関門と15のチェック項目をまとめて解説します。この記事を読んでから「仲介会社に問い合わせる」ボタンを押すかどうか決めてください。
安い空き家の多くを買うべきではない理由:3つの構造的要因
価格が安いのは、通常、その地域の需要では物件の価値を支えられないためです。日本の空き家の現状は次のとおりです。
- 総数900万2千戸、空き家率13.8%(2023年総務省「住宅・土地統計調査」確報)で、いずれも過去最高です
- このうち賃貸用、売却用、別荘のいずれでもない長期空き家は385万6千戸で、2018年より36万9千戸増えています
- 空き家率が20%を超える地域もあります(別荘などの二次的住宅も含まれるため、分けて見る必要があります)
「格安物件一覧」に入る物件は、運よく良心的な売主に出会えたからではない場合がほとんどです。多くは次の3条件のいずれかに該当します。
- 銀行融資が非常に難しい:築年数が古すぎる、再建築不可、相続登記が未了であり、海外の買主はさらに融資を受けにくくなります
- リフォーム・リノベーション費用が膨大:屋根、給排水、耐震補強を合わせると、購入価格の数倍になることも珍しくありません
- 立地に需要がない:人口流出が続き、学校が廃校となり、スーパーが撤退し、将来は自分で住むにも不便になります
この3点は安さと引き換えに負う代償であり、売主が損を承知で投げ売りしているわけではありません。代償がどこにあるか分からないなら、まだすべてを見つけられていないということです。調査を続ければ必ず出てきます。
第1関門(権利編):権利関係が明確かどうかは、建物自体よりも重要
日本の不動産取引と台湾との大きな違いの1つは、台湾で一般的に利用されているような履行保証の仕組みがないことです(詳しくは日本の不動産購入には履行保証口座がない!地面師の詐欺に隙を与えているをご覧ください)。そのため、自分で資料を確認し、仲介会社による重要事項説明と司法書士の確認を組み合わせて権利関係を精査する必要があります。空き家は特に問題が起こりやすい物件です。また、個人の売主は契約で契約不適合責任を免除することが多く、雨漏りやシロアリ被害が見つかっても賠償を請求できない場合があります。契約前に必ず確認してください。
チェック項目1:「再建築不可」ではないか
建築基準法第42条で定義される道路は原則として幅員4メートル以上であり、第43条では敷地がその道路に2メートル以上接していなければ、新しい建物を建てられないと定めています。条件を満たさない物件は「再建築不可」と表示されます。原則として、取り壊すと建て直せません(幅員4メートル未満の「2項道路」はセットバックにより対応できる場合があり、第43条の認定や許可による例外もあるため、個別確認が必要です)。
その結果:
- 銀行はほぼ融資しません(現金一括で購入するしかありません)
- 将来売却するときも現金一括の買主しか対象になりません(流動性が極めて低くなります)
- 大規模なリフォーム・リノベーション(主要構造部に関係するもの)も制限されることがあります:2025年4月から、2階建て以上または延べ面積が200㎡を超える住宅で、壁、柱、床、梁、屋根、階段のいずれか1種類について過半の大規模の修繕・模様替を行う場合は、建築確認の申請が必要です
- 火災や地震で損壊した後 → 更地となり、元どおりに建て直せません
調べ方:物件詳細ページの「備考欄」に「再建築不可」「接道義務未満たし」などと記載されます。記載がないから問題がないとは限りません。仲介会社には重要事項説明書で説明する義務がありますが、仲介会社から言い出すのを待つだけではなく、自分から質問して資料を確認してください。
チェック項目2:借地権付き物件ではないか
「借地権」付き物件で購入するのは建物であり、土地は地主から借ります。地代を支払う必要があり、定期借地は期間満了時に土地を返還します。普通借地には更新制度がありますが、実務上は更新料が必要になることも珍しくありません。土地賃借権の譲渡は原則として地主の承諾が必要です(地主が承諾しない場合は、裁判所に代諾許可を申し立てられます)。銀行融資の条件も厳しくなります。価格は通常、所有権の物件より安いものの、地代、残存期間、更新費用も含めて計算する必要があります。
物件の権利欄が「所有権」なら土地も一緒に購入します。「借地権」「普通借地」「定期借地」と記載されていれば借地です。
チェック項目3:相続登記が完了しているか
2024年4月1日から相続登記が義務化されました(2021年の法改正。何世代にもわたり登記されず「所有者不明」となる不動産が多かったためです)。不動産を相続したことを知った日から3年以内に登記する必要があります。2024年4月より前に相続した場合の期限は2027年3月31日で、正当な理由なく手続きをしなければ10万円以下の過料が科される可能性があります。つまり、現在も経過措置の期間中です。空き家でよくある問題は次のとおりです。
- 元の所有者が何年も前に亡くなっているのに、子どもが相続登記をしていない
- 子どもも次々に亡くなり、現在の登記名義人が故人となっている
- 実際の相続人が多く各地に分散し、全員で遺産分割をまとめなければ売却できない
このような物件は、先に相続関係を整理して相続登記を終えなければ、買主へ所有権を移転できません。安くても多くの時間がかかり、不確実性も高くなります。司法書士が初期の権利調査で確認してくれるため、この費用は節約しないでください。
チェック項目4:境界と越境
隣人が植えた樹木、増築したカーポート、軒、排水管などが自分の土地に入り込んでいる、または自分の設備が隣地へ入り込んでいるケースは、空き家で特によく見られます。購入後に対応すると、協議に多くの時間がかかり、近隣訴訟に発展することさえあります。購入前に「境界確定図」がそろっているか確認し、なければ土地家屋調査士へ測量を依頼してください。田舎の空き家に農地が付属している場合は、別途、農地法の許可も必要です。代金を支払うだけでは所有権を移転できません。
第2関門(建物編):耐震、構造、見えない腐食
チェック項目5:新耐震基準か旧耐震基準か
日本では1981年6月に「新耐震基準」が導入され、2000年には木造住宅についてさらに強化されました。判断基準は次のとおりです。
| 建築確認年月 | 適用される耐震規定 | 購入前に行うこと |
|---|---|---|
| 1981年5月以前 | 旧耐震 | 先に耐震診断を行い、補強費用を総費用に含めます。融資審査も通常は厳しくなります |
| 1981年6月〜2000年5月 | 新耐震(木造住宅の接合部などに関する規定はまだ明確化されていません) | 木造住宅は、日本建築防災協会が取りまとめ、国土交通省が公表した「新耐震基準の木造住宅の耐震性能検証法」で再確認することをおすすめします |
| 2000年6月以後(木造) | 新耐震(木造住宅の規定明確化後) | それでも実際の維持管理状況を確認する必要があります |
注意点:「建築確認」の日付であり、「竣工日」ではありません。格安の空き家には1981年以前の住宅が多いため、まず耐震診断を行い、補強計画に基づいて耐震補強費用を見積もったうえで、総費用に含める必要があります(詳しくは日本不動産講座【築年数編】古いマンションは購入できる?法定耐用年数とは?新耐震基準とは?木造物件は購入できるのか?をご覧ください)。
チェック項目6:屋根、外壁、給排水
空き家を遠隔で購入する際に最も失敗しやすいのは、目に見える老朽化ではありません。壁紙、床、キッチンなどは作り直せます。問題は次のような目に見えない部分です。
- 屋根からの雨漏り:表面からは分からず、次の大雨で初めて判明します
- 給水管・排水管の腐食:古い木造住宅の金属管は耐用年数を超えていることが多く、配管を全面交換する費用は配管の長さや解体・復旧範囲によって異なるため、業者に項目別の見積もりを依頼してください
- シロアリ:木造住宅では特に多く、床や梁、柱の内部が食い荒らされてから発見されることがあります
- 地盤沈下・傾き:目視では分からず、機器による測定が必要です
この4項目は、現地調査をしなければ評価できません。現地の建築士に「ホームインスペクション」を依頼してください。費用は建物の規模と調査範囲に応じた見積もりとなり、床下や屋根裏の調査が含まれるか確認する必要があります。一般的なホームインスペクションは目視が中心で、見えない不具合がないことを保証するものではありません。物件の総費用に比べれば、必要な保険です。
チェック項目7:消防・上下水道の接続
地方の物件では、今も井戸水や浄化槽を使用し、下水道が整備されていない場合があります。浄化槽自体は合法的な排水方法ですが、毎年、保守点検、清掃、法定検査が必要であり、その費用も計算に含める必要があります。公共上下水道へ接続したい場合は、まず自治体に公共管路が付近まで整備されているか確認してください。費用は距離や地形によって大きく異なります。物件の設備欄にある「給水:公営/私営/井戸」「排水:公共下水道/浄化槽」をよく確認してください。
第3関門(立地編):現在だけでなく今後10年を見る
チェック項目8:人口流出の速度
物件がある自治体の「人口推移」を確認してください。政府統計ポータルサイト「e-Stat」や各自治体のウェブサイトで公開されています。重要なのは現在の人口ではなく、傾向です。
- 過去10年の人口減少が15%を超える → 私は高リスクと判断します(これは私自身の選別基準であり、公式基準ではありません)
- 学校、特に小学校の廃校や統合 → 子どもの人口が急減している兆候です
- 病院、スーパー、コンビニの撤退 → 生活利便性が崩れる前兆です
- 自治体の水害ハザードマップを確認:2020年8月から、仲介会社は重要事項説明の際に、水害ハザードマップ上の物件所在地を説明しなければなりません。浸水想定区域外でも、水害リスクがないとは限りません
チェック項目9:自治体財政の健全度
財政が厳しい自治体では、水道料金などが値上げされ、施設の統廃合やサービス縮小が行われる可能性があります(北海道夕張市の財政破綻後がその例です)。まず「財政力指数」(基準財政収入額を基準財政需要額で割った数値の3年平均。総務省が公表し、各自治体の年報にも掲載されています)を確認し、次に自治体が公表する健全化判断比率を確認します。
- 1.0以上:自治体自身の税収で標準的な行政需要を賄えます
- 0.5〜1.0:一部を地方交付税で補う必要があります
- 0.5以下:大半を国に頼っており、私は追加調査が必要な兆候と判断します
チェック項目10:今後10年の「現実的な」用途
空き家を購入する前に、10年後にこの物件を何に使うのか?という問いに答えてください。
| 用途 | 重要な問題 |
|---|---|
| 自己利用・別荘 | 実際に年間何日滞在しますか?1日当たりの宿泊費用はいくらになりますか? |
| 長期賃貸 | 現地の賃貸市場に需要がありますか?月額賃料はいくらですか?空室率はどの程度ですか? |
| 短期賃貸・民泊 | 「住宅宿泊事業」の届出を完了できますか(設備要件と居住要件を満たす必要があります)?180日という上限と地域の条例でどこまで制限されますか?消防設備は基準に適合していますか? |
| リフォーム・リノベーション後の転売 | 改修後に現地で本当に買主が見つかりますか?同条件の市場での成約価格はいくらですか? |
具体的な数字で答えられないなら、まだ購入の準備ができていません。
第4関門(費用編):総投資額は表示価格の何倍になるか?
チェック項目11:リフォーム・リノベーション見積もりの妥当な範囲
空き家のリフォーム・リノベーション費用は大きく変動します。「坪当たりいくら」という数字を覚えるより、見積もりを次のように分解して比較してください。
| 改修レベル | 内容 | 見積もりを分けて確認する項目 |
|---|---|---|
| 表面的な改装 | 壁紙、床、キッチン・浴室・トイレ設備の交換 | 設備のグレード、解体費、廃棄物処理費 |
| 標準的な改修 | + 給排水・電気設備の全面交換、間取り調整 | 配管・配線の範囲、床や壁の解体・復旧 |
| 大規模改修(耐震補強を含む) | + 耐震補強、屋根、外壁、構造補強 | 耐震診断結果、補強計画、構造上の問題が見つかった場合の追加条件 |
相見積もりは少なくとも3社に依頼し、同一の工事範囲について、解体、構造、耐震、設備、内外装、廃棄物処理費を項目別に記載してもらってください。税込みか税別か、追加工事をどのように算定するかも明記してもらいます。古い住宅の解体や改装前には、工事規模を問わず石綿(アスベスト)事前調査が必要です。2023年10月からは有資格者が調査しなければならず、その費用も計算に含める必要があります。1社だけ見積金額が明らかに低い場合は、どの項目が抜けているのかを先に確認してください。
チェック項目12:自治体の補助金をどう調べるか(仲介会社が口頭で伝える金額をうのみにしない)
空き家の仲介会社は「自治体から100万円の補助金が出る」と売り込むことがありますが、補助要件には指定業者、実際の居住年数、移住者としての要件などの制限が含まれることが珍しくありません。自分で公式ウェブサイトを確認した情報だけが確実です。
- Googleで「[市町村名] 空き家 補助金」「[市町村名] 移住 助成」と検索します
- その自治体の公式ウェブサイトで「移住・定住支援」「空き家対策」のページを探します
- 最新年度の申請要綱PDFをダウンロードします(条件は毎年変更されることがあります)
- 自分の立場(外国人の非居住者)で利用できるか確認します:実際の移住や一定年数以上の居住を求める補助金は少なくなく、在留資格を限定する制度もあります。また、工事契約前の申請が必要な制度や、予算がなくなり次第、受付を終了する制度もよくあります
仲介会社が伝える数字は参考にとどめ、実際にいくら受け取れるかは、自分で申請手続きを進めなければ分かりません。
チェック項目13:見えない支出(空き家特有)
リフォーム・リノベーション以外にも、空き家では一般的な中古住宅より次の支出が増えやすくなります。
- 残置物撤去費用:前の居住者が残した家具や雑品の搬出・処分費用です。物量と処分方法に応じた見積もりとなるため、引渡し前に誰が負担するか決めてください
- 庭の維持管理:長期間放置された庭の除草や樹木の剪定費用です。面積、樹高、搬出量に応じた見積もりとなります
- 火災保険:空き家は一般住宅向け火災保険の引受条件を満たさない場合があります。加入できる商品と保険料を確認してください
- 遠隔管理費:海外の買主が現地の管理会社へ定期巡回、郵便物の受領、近隣対応を委託する費用です
- 仲介手数料:2024年7月から、800万円以下の物件には低廉な空家等の仲介手数料の特例があり、上限は30万円 × 1.1となる場合があります。通常の物件価格に応じた計算よりかなり高くなるため、契約前に確認してください
第5関門(税務編):放置したままでも処分の対象になる
チェック項目14:「特定空家」に認定される条件
「空家等対策の推進に関する特別措置法(空家法)」は2014年に公布、2015年に施行され、2023年12月施行の改正法で「管理不全空家」が新設されました。流れは次のとおりです。
- 自治体が空き家の状況を現地調査します
- 放置すれば特定空家になるおそれがある空き家を「管理不全空家」に認定します:自治体は指導を行い、改善されなければ勧告します
- すでに倒壊や衛生上の問題など明らかな危害がある空き家を「特定空家」に認定します:自治体は助言・指導・勧告を行い、それでも改善されなければ命令します
- どちらの区分でも、勧告を受けた時点から土地に住宅用地特例が適用されなくなり、固定資産税が大きく上がります
- 命令に違反すると50万円以下の過料が科される可能性があります。命令の期限を過ぎても対応しなければ、自治体が代執行(解体)を行い、所有者へ費用を請求できます。緊急時には、命令を待たずに直接対応することさえあります
主な判断条件は「放置による周辺への悪影響」です。倒壊のおそれ、衛生上の危害、景観の悪化、犯罪の温床となることなどが該当します。海外の所有者が特に問題になりやすいのは、管理する人がいないため雑草が繁茂する、樹木が隣家へ倒れる、屋根瓦が落下するといった明らかな放置の兆候です。
チェック項目15:取得後の固定資産税・都市計画税の試算
住宅用地特例:
- 1戸につき200㎡以内の部分:固定資産税の課税標準は評価額の1/6、都市計画税は1/3
- 200㎡を超える部分:固定資産税は1/3、都市計画税は2/3
- 税率:固定資産税の標準税率は1.4%、都市計画税は最高0.3%(すべての地域で課税されるわけではありません)
特例が解除されると土地の税額は大きく上がりますが、単純に6倍になるわけではありません。実際の金額は負担調整措置や所在地の計算方法にも左右されます。建物を解体して更地にした場合も、土地に住宅用地特例が適用されなくなります。購入前に固定資産税試算ツールを使い、特例がある場合とない場合の税額をそれぞれ計算してください。最終的な金額は所在地の税務担当窓口で確認してください。
保有、売却、相続を含む税務の全体像については、日本不動産税金完全ガイドをご覧ください。
5関門15項目の採点表(印刷して現地へ持参できます)
| 関門 | チェック項目 | 合格基準 | 確認 |
|---|---|---|---|
1. 権利 | 1. 再建築不可か | いいえ | ☐ |
| 2. 借地権付き物件か | いいえ(所有権) | ☐ | |
| 3. 相続登記が完了しているか | はい | ☐ | |
| 4. 境界が確定しているか | はい(境界確定図あり) | ☐ | |
2. 建物 | 5. 耐震基準 | 新耐震(1981/6以後) | ☐ |
| 6. 屋根/給排水/シロアリ | 現地調査で重大な問題なし | ☐ | |
| 7. 上下水道の接続 | 公共下水道、または合法的な浄化槽(維持費を計算済み) | ☐ | |
3. 立地 | 8. 過去10年の人口 | 減少 < 15% | ☐ |
| 9. 自治体の財政力指数 | 0.5以上 | ☐ | |
| 10. 10年後の用途が明確 | 具体的なキャッシュフローを算出できる | ☐ | |
4. 費用 | 11. 改修予算を十分に確保 | 耐震補強を含む一式予算 | ☐ |
| 12. 自治体の補助金 | 公式ウェブサイトで金額と条件を自分で確認 | ☐ | |
| 13. 見えない支出 | 残置物撤去/庭/保険をすべて計上 | ☐ | |
5. 税務 | 14. 特定空家のリスク評価 | 遠隔管理計画あり | ☐ |
| 15. 固定資産税・都市計画税の試算 | 通常時と認定後の両方を計算済み | ☐ |
15項目すべてにチェックが付いて初めて購入候補になります。1項目でも欠けていれば、次の物件を探してください。
海外の買主への最後の注意
日本の空き家を遠隔で購入する場合、目が届かず管理もできないリスクは、一般的な中古住宅よりはるかに高くなります。それでも試したいなら、最低限守るべき3つの条件があります。
- 必ず現地の建築士にホームインスペクションを依頼してください。この調査費用は節約しないでください
- 必ず司法書士に完全な権利調査を依頼してください。相続も地役権も1つとして見落とせません。境界と測量は別途、土地家屋調査士へ依頼してください
- リフォーム・リノベーション予算には1.5倍の余裕を持たせてください。傷んだ住宅には必ず想定外があります
購入後も3つ忘れてはいけないことがあります。取得後20日以内に日本銀行を経由して財務大臣へ外為法に基づく報告を行う必要があります(2026年4月からは自己居住用も報告対象です。詳しくは財務省の制度概要をご覧ください)。引っ越しや改名をした場合は、2年以内に住所等変更登記を行う必要があります(2026年4月から義務化され、正当な理由なく手続きをしなければ5万円以下の過料が科される可能性があります)。さらに、日本不動産の納税管理人とは?指定しないとどうなる?を指定し、固定資産税の通知を受け取れるようにしてください。
最後に:代償をすべて確認してから決める
日本の空き家が「格安物件一覧」に掲載されるのは、売主が相場を知らないからではほとんどありません。こうした物件が抱える代償が、市場価格にすでに反映されているためです。38万円の物件を見つけても、すぐ仲介会社に問い合わせず、上記15項目を1つずつ確認し、どれが合格し、どれが不合格なのかを確かめてください。
不合格の項目は、対策を見つけるか(改修予算を増やす、耐震補強を追加する、用途を調整する)、購入を諦めるかのどちらかです。全国の空き家数は直近の調査でも過去最高を更新しています。この物件が不合格でも、次の物件がまた出てきます。
税務の全体像と遠隔保有で必要な対応については、続けて日本不動産税金完全ガイドと日本不動産の納税管理人とは?指定しないとどうなる?をご覧ください。
試算ツールで実際に計算する
- 固定資産税試算:通常保有時と特定空家に認定された後の税額差を計算します
- 住宅購入費用試算:仲介手数料、登録免許税、不動産取得税をまとめて試算します
- 利回り計算ツール:すべての税金を差し引いた実質利回りを計算します
参考資料
- 総務省統計局|住宅・土地統計調査(2023)
- 総務省統計局|令和5年住宅・土地統計調査 基本集計(確報集計)結果の概要(PDF)
- 国土交通省|空家等対策の推進に関する特別措置法
- e-Gov法令検索|建築基準法(第42条の道路の定義、第43条の接道義務)
- 国土交通省|空き家・空き地バンク総合情報ページ(全国版空き家バンク入口)
- 周南市|空き家Q&A(税金関係:勧告後の住宅用地特例)
- 法務省|相続登記の申請義務化に関するQ&A
- 法務省|住所等変更登記の義務化について
- 財務省|非居住者による本邦の不動産等取得に係る報告:制度の概要
- 国土交通省|不動産取引に関するお知らせ(低廉な空家等の仲介手数料の特例)
- 国土交通省|水害ハザードマップにおける対象物件の所在地の説明を義務化
