港区不動産完全ガイド:エリア・相場・典型的な物件選びの考え方(2026年版)

2026年5月08日|エリアガイド|東京ママ|温 芳瑜(宅建士試験合格)
港区不動産完全ガイド:エリア・相場・典型的な物件選びの考え方(2026年版)
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港区不動産 2026年クイックサマリー

  • 中古タワーマンション相場:坪単価700〜1,200万円(築10年以内)、500〜800万円(築20〜30年)
  • 新築相場:坪単価1,500万円超(2024年)
  • 5年間の上昇率:2020〜2024年累計22〜28%
  • 外資買い比率:18%(2024年)、台湾が中国・シンガポールを抜いてトップに
  • 賃料相場:3LDK 70㎡中古で月35〜50万円、新築50〜70万円
  • 稼働率:95%超(東京最高水準)、優良物件の平均空室期間1ヶ月以内
  • 表面利回り:中古3.5〜4.5%、新築2.5〜3.5%

港区が日本不動産で最高密度エリアである理由

港区の面積は20.4㎢で、東京23区中13番目(中規模やや小)ですが、不動産取引金額は10年連続で第1位を誇ります。2024年の港区単独の不動産取引総額は、東京23区全体の22%を占めています(出典:日本不動産研究所)。

その背景には3つの構造的な要因があります。第一に用途地域について、港区の面積の70%以上が商業地域・近隣商業地域であり、容積率の上限は400〜1,000%と超高層建築が可能です。住居専用地域はわずか15%(白金台・南青山・西麻布の一部)にとどまります。そのため単位土地当たりの延べ床面積が大きく、土地単価も高くなります。

第二に供給構造です。港区の開発可能用地は年々減少しており、2020〜2024年の新築竣工戸数は年間600〜1,200戸(東京23区平均は4,000戸/区)にとどまり、需要が供給を大幅に上回っています。中古市場では一度売りに出ると、60%が60日以内に成約しています。

第三に需要の底堅さです。外資系企業の本社・大使館・駐日多国籍企業の高収入外国人スタッフが集中しており、港区の外国人居住者比率は12.8%(東京23区平均4.2%)に上ります。月収100万円以上の高所得層が集積しているため、賃借人も購入者も高い水準の支払い能力を持ち、それが価格を押し上げています。

港区8大エリア別分析

赤坂(赤坂見附・赤坂アーク・赤坂サカス周辺)

国会議事堂・首相官邸・TBSテレビ・各国大使館が集まる政治の中枢エリアです。中古タワーマンションの坪単価は800〜1,000万円、新築は1,200〜1,500万円です。2億円の予算で築15〜25年の65〜75㎡(2〜3LDK)、3億円で75〜85㎡が購入可能です。

賃借人は外資系金融・政治記者・メディア業・駐日大使館スタッフが中心で、3LDK 70㎡中古の賃料は月38〜48万円、表面利回りは3.5〜4.0%です。自己使用不要で長期的な資産価値の維持と安定した賃料収入を求める方に最適です。流動性は港区内で最も高く、売却時の平均成約期間は45日です。

麻布(元麻布・南麻布・麻布十番)

国際学校・大使館官舎・ミシュラン掲載レストランが集積する、成熟した外国人家族向けエリアです。元麻布・南麻布は低層住居地域が中心(高さ制限20m)で、タワーマンションは少なくブティックマンションや戸建てが主流です。麻布十番は商業地域のためタワー開発も見られます。低層ブティックマンションの坪単価は1,000〜1,400万円(築10年以内)、中古タワーマンションは800〜1,100万円です。2億円で50〜65㎡、3億円で65〜80㎡が購入できます。

賃借人は外国人家族(30〜40%)と多国籍企業の上級管理職が中心で、3LDK 80㎡の月賃料は50〜70万円(外資系企業の社宅契約)、表面利回りは3.0〜3.5%です。自己使用と投資を兼ねた10年以上の長期保有、またはお子さまの国際学校進学を考えているご家族に最適なエリアです。純粋なキャッシュフロー重視の投資家には向きません。

六本木(六本木ヒルズ・東京ミッドタウン周辺)

ナイトライフ・アート・商業が混在するエリアで、東京ミッドタウン・六本木ヒルズ・国立新美術館がこの圏内に集まっています。商業地域が中心で超高層タワーが密集しています。中古タワーマンションの坪単価は700〜1,000万円、新築は1,200〜1,500万円ですが、同エリア内でも価格差が大きく、東京ミッドタウン周辺(六本木7丁目・赤坂9丁目)は西麻布・六本木1〜3丁目より20〜30%高い水準です。2億円で60〜75㎡が購入できます。

賃借人は外資系投資銀行(ゴールドマン・サックス、モルガン・スタンレー等)・ナイトライフ関連業・アート関係者が中心で、賃料は赤坂・麻布より5〜10%高い傾向がありますが、稼働率の変動は大きめです(ナイトライフエリアのため入居者の入れ替わりが多い)。表面利回りは3.5〜4.0%です。キャッシュフロー重視で賃借人の回転率を許容でき、エリアのブランド力を重視する投資家に最適です。なお六本木は民泊禁止の管理規約が最も厳しく、新築物件はほぼ全面禁止です。民泊・短期賃貸を検討している場合は、このエリアは避けることをお勧めします。

白金台・白金高輪

港区を代表する高級住宅エリアで、都心6区の中でも最も静かな高級感が漂います。白金台は高さ制限が厳しく(35m)タワーマンションは少なく、低層ブティックマンションが主流です。白金高輪は2000年代以降の再開発でタワーマンションも一部あります。低層ブティックマンションの坪単価は1,100〜1,400万円(築10年以内)、白金高輪のタワーマンションは800〜1,100万円です。2億円で50〜65㎡、3億円で65〜80㎡が購入できます。

賃借人は日本の伝統的な富裕層(金融・医師・経営者)と長期滞在の外国人管理職家族が中心で、入居者の入れ替わり率は港区内で最低水準、平均居住期間5〜7年、稼働率97%以上を誇ります。3LDK 75㎡の月賃料は42〜55万円、表面利回りは3.0〜3.5%です。長期的な資産価値の維持を最優先とし、短期収益にこだわらず次世代への資産継承を考えるファミリー層の資産配置に最適です。港区の中でも最もリスクが低いエリアと言えるでしょう。

高輪・品川(港南)

2024年の高輪ゲートウェイ駅開業とリニア中央新幹線2027年開通計画の恩恵を最も受けるエリアで、再開発テーマとして最も注目されています。土地評価額の5年上昇率35〜40%は港区内トップです。高輪1〜3丁目の中古タワーマンション坪単価は700〜1,000万円、再開発エリア(高輪4丁目周辺)はすでに1,000万円を突破しています。港南(芝浦運河沿い)は600〜800万円とやや低めです。2億円で高輪なら65〜80㎡、港南なら80〜100㎡が購入できます。

賃借人はJR・新幹線通勤の金融・IT・商社系が中心(品川駅は国内ビジネス利用者数第2位)で、3LDK 75㎡の月賃料は32〜42万円、表面利回りは4.0〜4.5%と港区内で最高水準です。5〜10年の中期保有で再開発の恩恵を狙い、中程度の利回りを求める投資家に最適です。なお港南の一部地域は水害警戒区域に指定されており、購入前に港区役所または東京都のウェブサイトでハザードマップを必ずご確認ください。

田町・芝・芝浦

港区の中では「ミドルレンジ」に位置するエリアで、港区内でありながら赤坂・麻布より価格帯が15〜25%低めです。田町はJR山手線・京浜東北線の通勤ターミナル、芝公園・東京タワー周辺は歴史的な雰囲気があり、芝浦は運河沿いのタワーマンション密集エリアです。芝浦タワーの坪単価は600〜800万円、田町は700〜900万円、芝公園周辺は800〜1,000万円です。2億円で芝浦なら80〜100㎡(4LDKも可能)、田町なら70〜85㎡が購入できます。

賃借人は田町・品川・汐留へ通勤するサラリーマン(ホワイトカラー・IT・金融)が中心で、年齢層は赤坂・麻布より若く30〜45歳がメインです。3LDK 80㎡の月賃料は30〜40万円、表面利回りは4.0〜4.5%です。港区への投資入門として、予算1.5〜2.5億円で広い居住空間を求め、ブランドエリアにこだわらない投資家に最適なエリアです。

台場・青海・有明(臨海副都心)

フジテレビ・東京ビッグサイト・お台場海浜公園が集まる、東京湾岸を代表する埋立地エリアです。住宅は2000〜2015年に建設された中古タワーマンションが中心で、新築供給は希少です。

中古タワーマンションの坪単価は500〜700万円程度と、東京都心湾岸エリアの中では比較的手頃な価格帯です。新築は坪800〜1,000万円程度が多くなっています。2億円の予算で100〜130㎡の大型3LDK〜4LDK物件が購入できます。

賃借人は外資系金融業の家族・外国人高収入層・芸能関係者が中心で、広い居住空間と海景を好む傾向があります。100㎡クラスの3LDKで月賃料35〜45万円、表面利回りは3.5〜4.5%程度です。

一部自己使用ニーズがあり、居住空間を重視し、予算2〜3億円のファミリー層バイヤーに向いています。ただし、湾岸埋立エリアは近年の水害リスク評価が高まっており、2024年には一部地域で浸水警戒区域が拡大されています。また地震保険料は港区内陸部より30〜40%ほど高くなる場合が多く、保有コストも含めてご検討ください。

南青山・北青山・表参道

厳密には「青山」の一部は港区、一部は渋谷区です。南青山1〜7丁目と北青山1〜3丁目が港区、表参道沿いは渋谷区が多くなっています。ファッション・デザイン・メディア業が集積するエリアです。低層ブティックマンションの坪単価は1,200〜1,600万円と港区内でも最高水準で、中古タワーマンションは稀少です(このエリアは低層ブティック物件が主流)。2億円で45〜55㎡、3億円で60〜70㎡が購入できます。

賃借人はファッション業・広告業・デザイナー・外資系PR会社が中心で、1LDK〜2LDK 50㎡の月賃料は30〜45万円です。坪単価賃料は高く、表面利回りは3.0〜3.5%です。自己使用メインで広さよりも生活の質を重視し、予算2億円以上のシングルまたはDINKS層の投資家に最適です。ファミリー層やキャッシュフロー重視の方には向きません。

港区5年間の相場推移(2020〜2025年)

2020年1月の港区中古マンション平均坪単価は580万円でした。2025年1月には720万円に達し、5年間の累計上昇率は24.1%となっています(出典:東京カンテイ・日本不動産研究所)。2022〜2023年は円安の進行と外資の買い増しが重なり、年間上昇率が一時8〜10%に達しました。2024〜2025年は上昇ペースが4〜5%に鈍化しているものの、23区外縁部(2〜3%)を大きく上回っています。

外資買い比率の推移:2020年12%、2022年15%、2024年18%。台湾は2023年から中国を抜いて東京23区の外国人買主第1位となっており、港区は台湾人買主の集中度が最も高いエリアです(港区の外資取引の約25%を占める)。

新築と中古の価格差:2020年は新築が同条件の中古より35%高い水準でしたが、2024年には50%に拡大しました(新築1,500万円/坪 vs 中古タワーマンション1,000万円/坪)。新築プレミアムの拡大により、中古市場のコストパフォーマンスが高まっています。

典型的な物件選びの考え方

2億円で買えるもの

赤坂・白金高輪では築15〜25年の中古タワーマンション65〜75㎡(2〜3LDK)が購入でき、月賃料35〜45万円・表面利回り3.5〜4.0%と、資産価値と流動性を兼ね備えた代表的な選択肢です。麻布・六本木では同予算で50〜65㎡(1〜2LDK、築10〜20年)に縮小しますが、月賃料28〜38万円で利回りは同水準、物件はより新しくプレミアム感があります。広さを重視するなら、芝浦・田町の築10〜15年タワーマンション75〜90㎡(3LDK)が合理的な選択肢で、月賃料30〜38万円・表面利回り4.0〜4.5%です。さらに台場では築15〜20年のタワーマンション90〜110㎡(3〜4LDK)で月賃料35〜42万円・利回り4.0〜4.5%と、港区内で坪単価コストパフォーマンスが最も高い選択肢ですが、地震保険の追加負担も考慮に入れる必要があります。

3億円で買えるもの

赤坂・麻布では築10年以内の中古タワーマンション75〜85㎡、または低層ブティックマンション60〜70㎡が購入でき、月賃料50〜65万円・表面利回り3.0〜3.5%とトップグレードの物件水準です。白金台の低層ブティックマンション70〜80㎡は住居専用地域に位置し港区随一の資産価値安定性を誇り、月賃料50〜60万円・利回り3.0〜3.2%、5〜10年の資産価値維持率は港区第1位です。高輪の再開発エリアのタワーマンション85〜100㎡は同予算で15〜20㎡広く購入でき、月賃料45〜55万円・利回り3.5〜4.0%で、2027年のリニア開通後の値上がりに期待できます。

5億円で買えるもの

赤坂・白金台では築5年以内のプレミアムマンションまたはタワーマンション100〜130㎡(ファミリー向け3〜4LDK)で月賃料80〜110万円・表面利回り2.5〜3.0%と、最高立地での自己使用兼資産配置が実現します。収益重視の場合は、芝浦・田町・港南の築15〜25年の小規模一棟マンション(4〜6戸)が総額5億円前後で購入可能で、年間総賃料1,800〜2,500万円・表面利回り4.0〜5.0%、融資活用後のキャッシュ・オン・キャッシュ利回りは8〜10%に達することもあり、港区内では数少ない利回り4%超の高級投資選択肢です。

港区不動産購入の5つの落とし穴

  1. 「準港区」物件に注意:広尾(渋谷区)や新宿区四谷三丁目は「港区的雰囲気」を打ち出してマーケティングされることがありますが、行政区画が異なるため、今後の再開発・税務上の控除・学校区の選択が変わってきます。購入前に登記簿で所在区を必ずご確認ください。(なお、これらは依然として非常に高級なエリアです)
  2. 1981年5月以前の旧耐震基準物件:赤坂・麻布には1970年代建築の物件も少なくありません。地震保険の年間保険料が約2倍になり、銀行融資がほぼ受けられず、売却時の買主層も大幅に限られます。耐震改修工事が未実施の物件は、利回りが高くても慎重に判断されることをお勧めします。
  3. 低層ブティックマンションの修繕積立金:戸数が少ない物件(10〜30戸)は1戸当たりの負担がタワーマンション(100〜300戸)より50〜100%高くなります。高級感があっても長期保有コストが嵩む点にご注意ください。購入前に修繕積立金の月額(㎡単価)・積立残高・長期修繕計画を必ずご確認ください。
  4. 戸建ての接道条件:港区は路地や私道が多く、建築基準法第43条の接道義務(幅員4m以上の道路に2m以上接すること)を満たさない物件は再建築不可となります。中古戸建ての購入時は必須確認事項です。
  5. 民泊禁止規約:港区では2018年の民泊新法施行以降、新築物件の約95%が管理規約で民泊を明示的に禁止しています。中古物件でも約60%が禁止されています。民泊(Airbnb等)を検討している場合は、事前に管理規約と直近3年間の議事録を必ずご確認ください。

東京ママの日本不動産インサイト

港区をお選びになる台湾のお客様は、50〜65歳で台湾のIT業・金融業ご出身の方が多く、「資産価値と流動性が最も高く、次世代も扱いやすい」という理由で港区を選ばれています。

実際の取引面では、港区は値引き交渉の余地が最も少ないエリアです(東京23区中心部の物件は0〜3%程度)。ただし売主側から見ると買主候補が最も多いエリアでもあり、売主も買主を選ぶ立場にあります。「現金払い・決済スピードが速い・納税管理人がすでに設定済み」の買主を優先することもあり、その場合は1〜2%の価格譲歩に応じてもらえるケースもあります。台湾のお客様の強みは意思決定のスピード(3〜5件見学して1ヶ月以内に決断)と資金準備の充実度(多くの場合は現金、または台湾側の住宅ローン事前審査済み)にあり、中国人買主と比べてこの2点での優位性は明らかです。

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